ショートメッセージ　

（ヨハネによる福音書10：1-10）

復活節第４主日　2020年5月3日

山口卓也

皆さん、今日もご覧いただき、ありがとうございます。

5月を迎えて、急に暑さがやって来ました。

この連休、皆さんはどのようにお過ごしでしょうか？

緊急事態宣言は、なかなか解除されそうにありません。

川崎元木ルーテル教会の集会も、もう少しの間

お休みをいただくことになりそうです。

いつも、教会に集ってくださっていた皆さんのお顔も、
しばらく拝見できず、さびしく思っています。

特に母国、韓国にお帰りになっている姉妹。

いかがお過ごしかと心配しています。

どうぞ、それぞれが置かれた場所で安全にお過ごしくださいますように。
神さまの守りを祈っています。

それでは、きょうの聖書の箇所をご覧ください。

「【新共同訳】ヨハネによる福音書10章1から10節
10:1 「はっきり言っておく。
　羊の囲いに入るのに、

門を通らないでほかの所を乗り越えて来る者は、
　盗人であり、強盗である。
10:2 門から入る者が羊飼いである。
10:3 門番は羊飼いには門を開き、
　羊はその声を聞き分ける。
　羊飼いは自分の羊の名を呼んで連れ出す。
10:4 自分の羊をすべて連れ出すと、
　先頭に立って行く。
　羊はその声を知っているので、ついて行く。
10:5 しかし、ほかの者には決してついて行かず、
　逃げ去る。ほかの者たちの声を知らないからである。」
10:6 イエスは、このたとえをファリサイ派の人々に話されたが、
　彼らはその話が何のことか分からなかった。
10:7 イエスはまた言われた。
　「はっきり言っておく。わたしは羊の門である。
10:8 わたしより前に来た者は皆、盗人であり、強盗である。
　しかし、羊は彼らの言うことを聞かなかった。
10:9 わたしは門である。わたしを通って入る者は救われる。
　その人は、門を出入りして牧草を見つける。
10:10 盗人が来るのは、盗んだり、屠ったり、
　滅ぼしたりするためにほかならない。
　わたしが来たのは、羊が命を受けるため、
　しかも豊かに受けるためである。」

今回はイエスさまがなさった、たとえ話です。
イエスさまは当時のイスラエルの人にとって、よく知っているもの。
日常、誰もが見かけるもの。
こういったものを使って、たとえをお語りになりました。

それなら、お話を聞いた人は、さぞよく理解できたに

違いない。そう考えたいところです。

ところが、そうはなりませんでした。
話そのものは、当時の人にとってはわかりきったこと。
ちっとも難しくありません。

ですが、その簡単な話が、いったい何を意味しているのか？

その肝心な点をイエスさまは、教えてくださらなかったのです。
なぜなんでしょうか？

たとえば皆さんのおうちに頑丈な防犯装置を取り付けたとしましょう。

そして「特別な暗証番号を押さない限り、
この門は絶対に開かない」
そう書いたステッカーを貼っておきます。

ステッカーを見たなら、この家は頑丈に守られている。
それが誰にでも簡単にわかります。

でもその大事な暗証番号は、
同じ家に住む信頼できる家族にしか教えませんよね。
ましてどろぼうには、絶対に教えません。

この時、イエスさまの話を聞いた者たち。
彼らはまるで、羊を盗んで、食べてしまおうとする悪い羊飼いのようでした。

彼らは、ファリサイ派と呼ばれる宗教的リーダーたちです。

本当なら、聖書から神さまの教えを正しく語る。
これがリーダーの役割です。

でもファリサイ派は、神さまの教えはそっちのけ。
代わりに、自分たちが勝手に考え出した教えを民衆に押し付けていたのです。

かわいそうなのは民衆です。
このままでは、待っているのは魂の永遠の滅びです。

そこに良い羊飼いがやって来ました。
良い羊飼いは、群れの羊を、まるで我が子のように大切にします。
そして一匹一匹に、素敵な名前をつけてあげます。 

もしも、クマや狼などの獣が襲って来たらどうでしょう？

悪い羊飼いなら羊を見捨てて逃げてしまいます。
でも良い羊飼いは、自分の命をかけて羊を守ってくれます。

そうです。この良い羊飼いは、イエスさまです。

イエスさまは、
あなたという存在をご自分の命よりも大切だと思っておられます。
だから十字架で命を捨ててくださったのです。

私たちはひとりひとり、何らかの弱さを抱えて生きています。
強くなりたいのに変われない。
そんな自分にがっかりしていますか？
でも大丈夫です。

羊も弱い動物です。
ですが一番大切な力をちゃんと持っています。
それは、自分の羊飼いの声を聞き分ける力です。

良い本当の羊飼いだけが、
おいしい牧草ときれいな水がある場所へと羊を導いてくれます。

私たち人間にとっての良い羊飼い。
それはイエスさまだけです。
あなたの名前を呼んで、永遠の命の祝福へと招く。

その優しいイエスさまの御声が、聖書の中には満ちています。
どうぞ耳を傾け、駆け寄ってください。

イエスさまからの祝福が、今週も皆さんの上に豊かにありますように！

また次週のショートメッセージでお会いしましょう。