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ショートメッセージ
(ルカ福音書24:13-35)
復活節第3主日 2020年4月26日
山口卓也
皆さん、お元気ですか?
川崎元木ルーテル教会の礼拝は、しばらくお休み中です。
では、私はどうしているかと言いますと、
4月26日(日曜日)大船ルーテル教会にて、説教をさせていただきます。
本当なら、25日(土曜日)から、ゴールデンウイークの始まりでした。
旅行に出かけたり、ショッピングや映画を楽しんだり、
ワクワクするシーズンだったはず。
それが今年は、ステイホーム週間に変わりました。
「故郷への帰省も控えてください。自宅にとどまってください。」
との言葉に、事態の深刻さが伝わってまいります。
自分のいるべき場所にとどまる。
これが、今の私たちに求められています。
ですが、とても忍耐のいることですね。恐れや不安といった感情が、
どうしても沸き起こってまいります。
今回の登場人物は、
自分のいるべき場所にとどまることができなかった。
そんな二人の弟子たちです。
ひとりの名前だけが、わかっています。
クレオパと言いました。
イエスさまには、12弟子以外にも大勢の弟子がいたのです。
イエスさまが、十字架につけられて死んでしまった。
この出来事に、二人は大きなショックを受けました。
心は、まるで大嵐に遭った小舟のよう。
そこで、安全な港に避難するのが一番だと考えたのでしょう。
二人が向かったエマオ村とは、彼らの故郷だと思われます。
しかし、仲間の元を離れて、都エルサレムから去ってしまう。
それは彼らの魂にとって、非常に危険なことでした。
せっかくイエスさまの弟子となって、たくさんの教えを学んだはずなのに。
信仰も希望も捨てて、すべてをなかったことにして生きて行くのでしょうか。
彼らは、イエスさまの死によって、自分たちの希望が消え去ったのだ。
そう誤解し、絶望していました。
でも、イエスさまは復活して、生きておられるのです。
「おいおい、どこへ行く。
君たちのいるべき場所は、そっちではないよ」
そう言うかのように、イエスさまが二人の元に近づいて来てくださいました。
二人の会話に入って来た見知らぬ人物。
それが、復活のイエスさまだったのです。
「歩きながら、やり取りしているその話は何のことですか」
知らないふりをして尋ねたイエスさまの言葉に、二人は驚きあきれます。
「エルサレムに滞在していながら、
この数日そこで起こったことを、
あなただけはご存じなかったのですか。」
ご本人を前にして、なんという失礼さ。
でもイエスさまは忍耐して聞いてくださいました。
空の墓、
そして『イエスは生きておられる』と告げた天使の言葉。
これらの情報を手にしながら、
弟子たちは、イエスさまが復活なさったことを信じることができませんでした。
そしてイエスさまの十字架の死が、
人間の罪の代価を支払うためのものだったことも、
理解していませんでした。
ちゃんと旧約聖書に書いてあるのに。
そこでイエスさまは、彼らに旧約聖書の解説をしてくださったのです。
そうこうするうちに、目的のエマオ村に到着しました。
無理にイエスさまを引き止めて、晩餐の席に着いた時のことです。
イエスさまがパンを裂いて、二人にお渡しになりました。
すると、さえぎられていた目が開けました。
このお方が、イエスさまであること。
確かに死からよみがえって、生きておられるのだということがわかったのです。
でも、その途端、イエスさまのお姿は見えなくなってしまいました。
二人が、がっかりしたかって?
いいえ。彼らは言いました。
「道で話しておられるとき、
また聖書を説明してくださったとき、
わたしたちの心は燃えていたではないか」
イエスさまから聞いた聖書の説明は、
消えかかっていた彼らの信仰の火を再び燃やしたのです。
復活のイエスさまと出会う恵みによって、
これまでの恐れや不安も一気に解消。
「よし!仲間の弟子たちに、この話を分かち合おう。」
急いで二人は、都エルサレムへと戻って行ったのです。
往復22キロ。がんばりましたね。
終わりが見えない中で、苦闘なさっている皆さん。
あなたは、ひとりではありません。
イエスさまは、あなたのために、
あなたの隣をともに歩んでくださる神です。
イエスさまからの祝福が、
今週も皆さんの上に豊かにありますように!
それではまた次週のショートメッセージでお会いしましょう。